大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1505 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一五〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人小泉英一並に被告人Aの上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

弁護人小泉英一上告趣意第一点について。

所謂盗難届書の証拠調については第一審公判において被告人側から何等異議を申

立てた形跡なく、原審においてもまた所論盗難届書を展示しないことについて何等

主張していないばかりでなく、所論は訴訟手続の違背を主張するにすぎないもので

あつて刑訴四〇五条に規定する事由に該当しない。そして本件は同四一一条を適用

すべきものと認められないから論旨は採用できない。

第二点について。

憲法第三七条一項に所謂公平な裁判所の裁判とは偏頗のおそれのない組織構成を

もつ裁判所の裁判という意味であつて、被告人側から見て刑の量定その他の点につ

いて公平でないと思料する裁判に対し不服申立をなし得る憲法上の権利を被告人に

付与したものでないことは当裁判所数次の判例に照らし明らかである(昭和二三年

(れ)第五九号同年六月二日大法廷判決)。従つて原判決が被告人に対し刑法第四

七条を適用しないことを理由として原判決は憲法第三七条に違反すると主張する論

旨は採用できない。

第三点について。

弁護人の報酬等の費用を個人に負担せしむべきかという問題は法律を以て適当に

規定し得ることがらであつて刑事訴訟費用法が国選弁護人に給すべき報酬等を公訴

に関する費用と規定したことは憲法第三七条第三項に違反するものではない。従つ

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て国選弁護人に給すべき報酬の負担を被告人に命ずることは正当であることは当裁

判所判例の示すところであるから論旨は理由がない(昭和二四年新(れ)第二五〇

号同二五年六月七日大法廷判決)

被告人Aの上告趣意について。

論旨は所持金もすくなく病身であるから寛大の処置を願うというのであるが、か

ような主張は上告適法の理由とならないものである。

よつて刑訴四〇八条、一八一条、刑法二一条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年二月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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